オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年10月

塩見木工所のよもやま話~第16回~

皆さんこんにちは!

 

宮崎県日向市を拠点に木製家具や建具の製作を行っている

塩見木工所株式会社、更新担当の富山です。

 

 

 

建具を彩る素材の世界

〜素材で変わるデザイン・質感・機能〜

建具の魅力を決めるのは、形だけではありません。
素材の選び方によって、デザイン性・耐久性・コスト・手触り・重量感がすべて変わります。


ここでは、建具に使われる代表的な素材を一つずつ深掘りして紹介します


1. 木材(無垢材)

 

古来より愛され続ける自然素材。
木目の美しさと温もりが最大の魅力です。

ヒノキ・スギ・ナラ・ウォールナットなど、樹種ごとに香り・色味・硬さが異なり
使用する部位によっても印象が変わります。

また、木は呼吸する素材。湿度を調整し、心地よい空気環境を保ちます
ただし、乾燥や湿気による反り・割れには注意が必要です。


2. 合板(ごうはん)

 

薄くスライスした木材を層状に貼り合わせた素材。
無垢材の風合いを保ちながら、反りにくく強度が均一なのが特長です。

コストパフォーマンスに優れ、住宅や店舗、公共施設など幅広い建具に使用されます。
最近では、**突板仕上げ(天然木を薄く貼る加工)**によって高級感を出した製品も多くなっています。


3. MDF(中密度繊維板)

 

木材を繊維状にして圧縮・成形した人工素材。
表面が非常に滑らかで、塗装や化粧シートとの相性が抜群

反りや割れが少なく、加工の自由度が高いため、
室内ドアや造作家具の扉など、デザイン性重視の空間に適しています。


4. スチール(鋼製)

 

耐久性・防火性・防犯性に優れた金属素材。
学校・病院・工場・オフィスビルなどの公共建築で多く採用されています。

冷たい印象になりがちですが、マット塗装や木目転写などの仕上げ技術により、
近年ではデザイン性も大幅に向上✨
“無機質でスタイリッシュ”な空間演出にもピッタリです。


⚙️5. アルミ

 

軽量で錆びにくく、耐久性・施工性ともに優秀。
サッシや玄関ドア、パーティションなどに広く使われています。

アルマイト処理や粉体塗装などにより、
表面仕上げの自由度も高く、メンテナンスが簡単
現代建築の「軽やかでシャープなデザイン」を支える代表素材です。


6. ガラス

 

光を通しながら空間を仕切る、もっとも透明感のある素材。
透明ガラス・フロストガラス・ミラーガラスなど多様な種類があり、
採光性とプライバシー性を両立できます

さらに、強化ガラス・合わせガラス・Low-Eガラスなど、
安全性・断熱性・防音性を高めた製品も数多く存在。
インテリア建具だけでなく、店舗のショーウィンドウなどにも利用されています。


まとめ

 

建具の素材選びは、デザイン・耐久性・コストのバランスを取る重要なポイントです。

木材の温かみ、スチールの堅牢さ、ガラスの透明感──。
それぞれの素材が空間に異なる「個性」と「質感」をもたらします✨

理想の建具は、見た目の美しさだけでなく、
使う人の暮らし方や建物の目的に合わせて選ぶことが大切です。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

弊社は宮崎県日向市を拠点に木製家具や建具の製作を行っております。

お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

お問い合わせはこちらから!

 

apple-touch-icon_2.png

塩見木工所のよもやま話~第15回~

皆さんこんにちは!

 

宮崎県日向市を拠点に木製家具や建具の製作を行っている

塩見木工所株式会社、更新担当の富山です。

 

 

 

建具の種類徹底ガイド

〜空間の印象を決める“開け方”とデザインの関係〜

建具(たてぐ)は、単なる「扉」ではありません。
空間を仕切り、光や風、音、視線をコントロールすることで、住まいの快適さや印象を大きく左右する重要な要素です

日本の住宅や建築空間では、昔から気候・文化・暮らし方に合わせて多様な建具が発達してきました。
ここでは、代表的な建具の種類を一つひとつ詳しく見ていきましょう


1. 引き戸(スライドドア)

 

横方向にスライドして開閉する建具。
限られたスペースでも開閉でき、狭小住宅や通路にも最適です。

近年は、デザインや機能が大きく進化しています。
例えば、ソフトクローズ機構を搭載し、静かに閉まるタイプや、
上吊り式レール構造で床に段差が生じないバリアフリー仕様も登場✨

また、ガラス入りや木目調などデザインも豊富で、
住まいのスタイルに合わせた空間演出が可能です。

メリット: 開閉時に場所を取らず、デザイン自由度が高い
デメリット: 密閉性や遮音性は開き戸に劣る場合がある


2. 開き戸(ドアタイプ)

 

もっともポピュラーな建具で、ヒンジ(蝶番)を軸にして開閉します。
プライバシー性が高く、遮音・断熱性能にも優れるため、寝室や個室に多く使われます。

デザインの自由度も高く、ガラス入りの採光ドアや、クラシカルな框組(かまちぐみ)など、空間に合わせた表現が可能。
また、ドアクローザーやスマートロックを組み合わせれば、より快適で安全な住環境が実現します。

メリット: 密閉性が高く、防音・断熱に優れる
デメリット: 開閉にスペースが必要


3. 折れ戸(フォールディングドア)

 

扉を折りたたむようにして開閉するタイプ。
クローゼットや間仕切りなど、可動範囲を抑えたい場所に最適です。

折り戸は、引き戸と開き戸の“中間的存在”とも言える建具で、
開放感を保ちながらも、全開時にすっきりと収まる構造が魅力

最近では、軽量化と静音設計が進み、
マンションの収納や店舗のバックヤードなどでも多く採用されています。


4. 障子(しょうじ)

 

日本の伝統的建具といえばこれ。
木枠に和紙を貼り、柔らかく光を通す障子は、古くから“日本の美”を象徴してきました。

現代では、破れにくい合成紙やUVカットフィルムなどを用いた機能性障子も登場。
リフォーム住宅やホテルの和モダン空間でも人気です。

魅力: 光を拡散させ、やさしい空間を演出
注意点: 紙部分が湿気や衝撃に弱い


5. 襖(ふすま)

 

和室の間仕切りとして使われ、表面には紙や布が貼られた建具。
模様や質感で空間を彩ることができ、デザイン性が非常に高いのが特徴です。

襖紙を季節やテーマに合わせて張り替えることで、
部屋の雰囲気を簡単に変えることもできます。

メリット: デザイン性が高く、張替えも容易
デメリット: 湿度変化で反りが出やすい場合がある


6. 格子戸(こうしど)

 

細い木の桟を組み合わせた格子状の建具。
通風性を保ちつつ、外からの視線をほどよく遮ります。

町家や旅館などでよく見られるほか、最近では**店舗のファサード(正面デザイン)**にも多く使われています。
光と影のコントラストが美しく、見る角度で表情が変わるのも魅力です✨


7. サッシ(アルミ・樹脂枠)

 

現代建築に欠かせないのがサッシ。
アルミや樹脂枠にガラスを組み込み、気密性・断熱性・防音性を実現します。

住宅用では「引き違い窓」「縦すべり出し窓」など、形状も多様。
樹脂サッシや複層ガラスを採用することで、省エネ性能の向上にも貢献しています


まとめ

 

建具は単なる“仕切り”ではなく、空間を演出する重要なデザイン要素です。

引き戸で広がりを、開き戸で静寂を、障子で柔らかさを、
建物の用途やライフスタイルに合わせて選ぶことが、快適な空間づくりの鍵です✨

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

弊社は宮崎県日向市を拠点に木製家具や建具の製作を行っております。

お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

お問い合わせはこちらから!

 

apple-touch-icon_2.png