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日別アーカイブ: 2025年4月21日

塩見木工所のよもやま話~第4回~

皆さんこんにちは!

 

塩見木工所、更新担当の富山です。

 

 

🌲 第4シリーズ:家具・建具に使われる素材の種類と選び方

~素材を知れば、空間づくりがもっと楽しくなる~

建具や家具の美しさ・耐久性・印象を左右するのが、何といっても**“素材選び”**です。
同じデザインでも、使う素材が違えば、まったく違う質感・雰囲気・使い勝手になります。

ここでは、実際の建具工事や家具製作でよく使われる素材を紹介しながら、特徴・用途・選び方のポイントをご紹介します。


✅ 1. 無垢材(ナラ・ヒノキ・ウォールナットなど)

 

天然の木材そのものを使用する高級素材。木のぬくもりや風合い、年輪の美しさが楽しめます。

  • 【メリット】
     ◎ 高級感がある
     ◎ 強度が高く、長く使える
     ◎ 経年変化で色味や艶が深まる

  • 【デメリット】
     ▲ 湿気や乾燥により反りや収縮が起こる場合がある
     ▲ コストが高い

特注ドアや造作家具、和室の障子や床の間、玄関収納など、空間の“顔”になる場所にぴったりの素材です。


✅ 2. 突板(ツキイタ)

 

本物の木を0.2~0.5mmほどの薄さにスライスし、合板に貼り付けたもの。

  • 【メリット】
     ◎ 無垢材に近い見た目
     ◎ コストを抑えられる
     ◎ 安定性が高く、反りにくい

  • 【デメリット】
     ▲ 傷がつきやすい
     ▲ 表面を削ると中の合板が出るため再仕上げ不可

デザイン性が求められる収納扉、カウンター、室内ドアなどに多く使用されます。**「本物志向+コスト意識」**のある方に人気です。


✅ 3. メラミン化粧板(樹脂シート系)

 

樹脂を含浸させたシートを合板に貼りつけたもの。 強度と耐水性に優れ、住宅・施設ともに多用されています。

  • 【メリット】
     ◎ キズ・汚れ・水に強い
     ◎ 色柄バリエーションが豊富
     ◎ メンテナンスが簡単

  • 【デメリット】
     ▲ 見た目は本物の木材より若干人工的
     ▲ 硬いため、端部が割れると補修が難しい

洗面所・キッチン・オフィス家具・商業施設の什器など、メンテナンス重視の場所に最適な素材です。


📌 素材選びのコツは「用途」と「バランス」

 

素材には一長一短があります。
どんな空間に、どんな目的で使うのか――を明確にすることが素材選定の第一歩です。

用途 おすすめ素材
高級感・木のぬくもりを出したい 無垢材・突板
コスト重視で機能性を保ちたい メラミン化粧板
湿気の多い場所 メラミン/樹脂系合板
経年変化を楽しみたい 無垢材

📝 まとめ:建具・家具は、素材と施工の“ダブル品質”で決まる!

 

デザイン・素材・施工精度――
この3つが揃ってこそ、美しく、長く使える建具・家具が生まれます。

素材の特性を正しく知り、職人の技術と組み合わせることで、空間に心地よさと機能性を与える施工が実現できるのです。

次回もお楽しみに!

 

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