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塩見木工所のよもやま話~第15回~

皆さんこんにちは!

 

宮崎県日向市を拠点に木製家具や建具の製作を行っている

塩見木工所株式会社、更新担当の富山です。

 

 

 

建具の種類徹底ガイド

〜空間の印象を決める“開け方”とデザインの関係〜

建具(たてぐ)は、単なる「扉」ではありません。
空間を仕切り、光や風、音、視線をコントロールすることで、住まいの快適さや印象を大きく左右する重要な要素です

日本の住宅や建築空間では、昔から気候・文化・暮らし方に合わせて多様な建具が発達してきました。
ここでは、代表的な建具の種類を一つひとつ詳しく見ていきましょう


1. 引き戸(スライドドア)

 

横方向にスライドして開閉する建具。
限られたスペースでも開閉でき、狭小住宅や通路にも最適です。

近年は、デザインや機能が大きく進化しています。
例えば、ソフトクローズ機構を搭載し、静かに閉まるタイプや、
上吊り式レール構造で床に段差が生じないバリアフリー仕様も登場✨

また、ガラス入りや木目調などデザインも豊富で、
住まいのスタイルに合わせた空間演出が可能です。

メリット: 開閉時に場所を取らず、デザイン自由度が高い
デメリット: 密閉性や遮音性は開き戸に劣る場合がある


2. 開き戸(ドアタイプ)

 

もっともポピュラーな建具で、ヒンジ(蝶番)を軸にして開閉します。
プライバシー性が高く、遮音・断熱性能にも優れるため、寝室や個室に多く使われます。

デザインの自由度も高く、ガラス入りの採光ドアや、クラシカルな框組(かまちぐみ)など、空間に合わせた表現が可能。
また、ドアクローザーやスマートロックを組み合わせれば、より快適で安全な住環境が実現します。

メリット: 密閉性が高く、防音・断熱に優れる
デメリット: 開閉にスペースが必要


3. 折れ戸(フォールディングドア)

 

扉を折りたたむようにして開閉するタイプ。
クローゼットや間仕切りなど、可動範囲を抑えたい場所に最適です。

折り戸は、引き戸と開き戸の“中間的存在”とも言える建具で、
開放感を保ちながらも、全開時にすっきりと収まる構造が魅力

最近では、軽量化と静音設計が進み、
マンションの収納や店舗のバックヤードなどでも多く採用されています。


4. 障子(しょうじ)

 

日本の伝統的建具といえばこれ。
木枠に和紙を貼り、柔らかく光を通す障子は、古くから“日本の美”を象徴してきました。

現代では、破れにくい合成紙やUVカットフィルムなどを用いた機能性障子も登場。
リフォーム住宅やホテルの和モダン空間でも人気です。

魅力: 光を拡散させ、やさしい空間を演出
注意点: 紙部分が湿気や衝撃に弱い


5. 襖(ふすま)

 

和室の間仕切りとして使われ、表面には紙や布が貼られた建具。
模様や質感で空間を彩ることができ、デザイン性が非常に高いのが特徴です。

襖紙を季節やテーマに合わせて張り替えることで、
部屋の雰囲気を簡単に変えることもできます。

メリット: デザイン性が高く、張替えも容易
デメリット: 湿度変化で反りが出やすい場合がある


6. 格子戸(こうしど)

 

細い木の桟を組み合わせた格子状の建具。
通風性を保ちつつ、外からの視線をほどよく遮ります。

町家や旅館などでよく見られるほか、最近では**店舗のファサード(正面デザイン)**にも多く使われています。
光と影のコントラストが美しく、見る角度で表情が変わるのも魅力です✨


7. サッシ(アルミ・樹脂枠)

 

現代建築に欠かせないのがサッシ。
アルミや樹脂枠にガラスを組み込み、気密性・断熱性・防音性を実現します。

住宅用では「引き違い窓」「縦すべり出し窓」など、形状も多様。
樹脂サッシや複層ガラスを採用することで、省エネ性能の向上にも貢献しています


まとめ

 

建具は単なる“仕切り”ではなく、空間を演出する重要なデザイン要素です。

引き戸で広がりを、開き戸で静寂を、障子で柔らかさを、
建物の用途やライフスタイルに合わせて選ぶことが、快適な空間づくりの鍵です✨

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

弊社は宮崎県日向市を拠点に木製家具や建具の製作を行っております。

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